飲食店の開業を検討中です。1人でも飲食店の開業は可能ですか?
飲食店の広さをコンパクトにし、席数を少なめにすれば1人でも開業可能です。商売が軌道に乗り始めたら従業員の雇用も検討するとよいでしょう。
目次
飲食店の開業費用
飲食店の開業にはおよそ1,000万円前後の資金が必要です。
自己資金で1,000万円を用意できない場合は、融資や補助金、個人借入などの資金調達方法を検討する必要があります。
融資であれば自己資金300万円程度は用意しましょう。
開業資金の内訳は主に次の通りです。
物件取得費用
飲食店をオープンする物件の取得には、保証金や礼金、仲介手数料、前家賃などが必要です。
店舗投資費用
店舗の内装工事や厨房機器購入にかかる費用のほか、食器や調理器具、家具やユニフォームなどの備品購入費用がかかります。
広告を出す場合は販促費用、従業員を雇う場合は人件費も必要です。
費用を抑えるには、もともと飲食店として使われていた物件(居抜き物件)を選ぶなどの方法があります。
運転資金
運転資金には光熱費や食材費、家賃などが含まれます。
経営が安定し軌道に乗るまでの約6ヵ月分は用意しておくと安心です。
生活費
飲食店の開業資金として忘れがちなのが生活費です。
開業して売り上げで生活していこうと考える方も少なくないのですが、経営が軌道に乗るまでの生活費は別に確保しておきましょう。
目安として約6ヵ月分の生活費も開業資金に入れておくことをおすすめします。
開業資金の調達方法についてはこちらを参考にしてみてください。
飲食店の開業に必要な資格
飲食店を開業するには次の資格が必要です。
食品衛生責任者
飲食店の開業では、従業員のうち1人が必ず食品衛生責任者の資格を取得している必要があります。
主な役割は、食材や調理器具などの取り扱いに衛生上の注意を払う、従業員の衛生管理をするなどです。
食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催している講座を受講することで取得できます。
ただし栄養士や調理師、製菓衛生士などの資格・免許を持っている方は、受講しなくても申請するだけで取得可能です。
防火管理者
店舗の収容人数が30人以上の場合は、火災の予防や消火活動の責任者になるための防火管理者の資格が必要です。
防火管理者の資格を取得するには「一定の学識経験を有すること」「一定の学歴と1年以上の実務経験があること」「消防職員の経験があること」のいずれかを満たしている、あるいは講習を受講して試験に合格することが要件になっています。
講習を受けられる場所は都道府県により異なるため、事前に確認しておきましょう。
調理師免許は任意
飲食店の開業に調理師免許は必須ではありませんが、調理の知識と技術を身につけることができるため、時間や予算に余裕のある方は取得を検討するとよいでしょう。
飲食店の開業に必要な届け出
飲食店の開業ではいくつか届け出をする必要があります。
主な届け出と提出先は次の通りです。
届け出先 |
対象となる店舗 |
届け出時期 |
|
食品営業許可申請 |
保健所 |
全店舗 |
店舗完成の10日前 |
防火管理者選任届 |
消防署 |
収容人数30人以上 |
営業開始前日 |
開業届(個人事業) |
税務署 |
個人で開業する店舗 |
開業日から1ヵ月以内 |
深夜酒類提供営業開始届 |
警察署 |
深夜12時以降に酒類を提供する店舗 |
営業開始の10日前 |
火を使用する設備等の設置届 |
消防署 |
火を使用する設備を設置する店舗 |
設備設置の前日 |
このほか、客に接待行為を行う場合は風俗営業許可申請も必要です。
開業する飲食店の業務形態に合わせ、必要な届け出をしましょう。
1人で飲食店を開業するには?
1人で飲食店を開業するときは、店舗面積を10~15坪程度にし、席数は20~30席を確保しましょう。
カウンターの有無によりレイアウトが異なるため、コンセプトやターゲットの客層に合わせて店舗設計するのがおすすめです。
1人で経営する場合は人件費がかからないというメリットがありますが、調理、サービス、会計、食器の洗浄、掃除などすべてを1人でこなす必要があります。
メニューを厳選する、デリバリーサービスを取り入れるなど、1人で仕切れるように工夫するとよいでしょう。
店舗設計のポイントはこちらでご紹介しています。
また店舗用カウンター造作についてはこちらを参考にしてみてください。
まとめ
この記事では飲食店の開業資金や必要な資格・届け出についてご紹介しました。
まとめ
・開業資金の目安は1,000万円~
・必要な資格:食品衛生責任者、防火管理者(調理師免許は任意)
・食品営業許可申請や火を使用する設備等の設置届などの届け出が必要
・1人で開業するなら10~15坪程度の面積で席数は20~30席を目安にするとよい
飲食店の開業をするには、資金計画やコンセプト作りなどさまざまな準備が必要です。
必要な資金や資格、届け出などを確認し、飲食店オープンを実現させてください。
飲食店の開業を検討中の方は、下記のお問い合わせフォームよりどんなことでもご相談ください。