1年後の今日、カフェをオープンしたいです!オープン日までにどのような計画をたてればいいですか?
カフェ開業までには5つのステップがあります。この記事で詳しく解説します。
目次
カフェのコンセプトを決める
「カフェをオープンする!」と決意したなら、もうすでにあなたが理想とするカフェができあがっていると思います。
ですが、それはただのアイデアですか?それとも具体的なコンセプトですか?
ここがとても重要です。カフェの運営はビジネスなので、アイデアではうまくいきません。カフェのコンセプトを具体的に決める必要があります。
カフェのコンセプトとは「あなたがオープンさせるカフェの特徴や方針・考え方」のことです。
来店するお客様に「どんな店なのか」を伝えやすくするためにも「5W2H」を意識してコンセプト作りをしましょう。
When |
カフェの営業時間 |
Where |
カフェを運営する立地 |
Who |
ターゲット |
What |
メニュー |
Why |
ターゲットがカフェを訪れる動機・目的 |
How |
経営スタイル |
How much |
価格 |
「5W2H」を明確にしたら、次の手順でコンセプトを決めていきます。
・競合他店の情報やトレンドの情報をチェックし、思いつくアイディアをどんどん書き出す
・どんなカフェにしたいか具体的にイメージする
・得意分野や専門知識があればそれに特化したカフェにする
たとえば「健康志向の高い女性向けの自然食カフェ」や「OLやサラリーマンのランチタイム向けのカフェ」など、どんなカフェにするかを明確にすることが大切です。
納得のいくコンセプトができるまで、これらを何度も繰り返して考えましょう。
資金調達
一般的なカフェの開業資金は下記の通りです。
約10坪:600万円ー800万円
約15坪:1000万円ー1200万円
自己資金(手元になある自分のお金)が100万円ー150万円で、残りは融資でまかなうのが一般的です。
融資はどこから受ける?
融資と聞くと、銀行からお金を借りるイメージがあるかもしれませんが、日本政策金融公庫から融資を受けましょう。
日本政策金融公庫とは、政府が全額を出資する政府系金融機関です。
カフェなどの規模の小さい事業を始めたい人や、信用度が高くない人への支援を積極的に行っています。
一般の融資審査に通りにくい人でも融資を受けやすいため、まずは日本政策金融公庫の利用を検討するのがおすすめです。
カフェ開業の場合は、無担保・無保証人の「新創業融資制度」が利用できます。
日本政策金融公庫から融資を受ける大事なポイント2つ
日本政策金融公庫から融資を受ける際に、大事なポイントが2つあります。
① カフェ開業前が1番融資を受けやすい
日本政策金融公庫から融資を受ける場合は、カフェを開業する前のほうが有利です。
カフェ開業のために利用できる「新創業融資制度」は、開業前の創業計画書をベースに審査します。
もしも開業してから融資を受けようとすると、実際の売り上げをベースに審査することになるため、希望の金額を借りられない可能性があるのです。
開業後でも融資を受けることは可能ですが、実績がなくても将来性や熱意を評価してもらえる開業前のほうがよいでしょう。
② 借りられるMAXの金額を借りる
融資を受ける際は、借りられる最大の金額を借りることをおすすめします。
理由は「運転資金 = お店の寿命」だからです。
まず運転資金と設備資金の違いを見ていきましょう。
運転資金とは「店舗の家賃や商品仕入れ費、販促費、税金など、カフェ運営を継続する上で必要な資金」です。
これに対し設備資金とは「店舗の内装工事費やテーブル、イス、焙煎機や冷蔵庫の購入費など、カフェ開業のために最初に必要な資金」をいいます。
もしも運転資金が6ヵ月分あれば、売り上げが0円でも6ヵ月間はカフェ運営を続けることが可能です。
つまり「運転資金=カフェの寿命」といえます。
また、カフェ運営を始めてから「やっぱりお金が足りない…」となる可能性もありますが、その時点で融資を受けるのは難しいでしょう。
実績が良くないと判断されて、融資を受けにくくなるからです。
融資を受けるときは、借りられる最大の金額を借りるとよいでしょう。
必要な資格と届出の申請
カフェを開業するには、必要な資格と届出の申請が必要です。
カフェの開業に必要な資格
・食品衛生責任者
・防火管理者
食品衛生責任者とは「カフェなどの飲食店に必須の資格」です。
食品衛生上の管理運営を行うために、1店舗につき1名が在籍している必要があります。
オーナーでも従業員でも問題なく、また栄養士や調理師、製菓衛生士などの資格がある場合は必要ありません。
保健所などが実施する講習会やeラーニングを受講することで取得できます。
防火管理者とは「収容人数(客席数+従業員数)が30名以上のカフェや飲食店の開業に必要な資格」です。
管轄の消防署など、日本防火・防災協会が実施している講習を受講することで取得できます。
ただし、カフェの延べ床面積により受講する講習内容が異なるため、正確な延べ床面積と座席数を把握しておくと安心です。
カフェの開業に必要な届出申請
・飲食店営業許可申請
・防火管理者選任届
・開業(廃業)等届出書
飲食店営業許可申請
飲食店営業許可は、カフェなどの飲食店を開業するときに必要です。
許可を得ると、カフェで調理した食事やお酒をお客に提供することができます。
申請は保健所で行いますが、その際に営業設備の配置図や内装の配置平面図、食品衛生責任者の資格証明書などが必要です。
防火管理者選任届
防火管理者選任届は、カフェの収容人数が30人以上の場合に必要です。
客席の数+従業員の数が30名以上であれば消防署に届け出をしましょう。
また、カフェの延べ床面積が300㎡未満の場合は「乙種」、300㎡以上の場合は「甲種」と、面積により種類が異なります。
開業(廃業)等届出書
個人事業主としてカフェを開業する場合は、開業(廃業)等届出書の提出が必要です。
開業届は確定申告をする上で必要なもので、カフェの開業から1ヵ月以内に税務署に提出する必要があります。
開業後の多忙な時期に提出することになるので、事前に提出書類だけでも用意しておくとよいでしょう。
カフェと喫茶店の違い
カフェを開業するのと、喫茶店を開業するのとでは、開業のハードルが大きく違います。
カフェ > 喫茶店
カフェを開業するよりも、喫茶店を開業するほうが手間が少ないので開業のハードルが低いです。
カフェと喫茶店を見た目で区別するのは難しいのですが、営業許可の点では大きな違いがあります。
カフェの開業では「飲食店営業許可」、喫茶店の開業では「喫茶店営業許可」をとるのが一般的です。
喫茶店営業許可の要件は、食品衛生責任者を配置することと、営業施設・設備の基準を満たすことで、それほど厳しくありません。
一方、飲食店営業許可はこれに加え、冷蔵設備や洗浄設備、客用便所の設置なども必要です。
また、喫茶店営業許可では調理した食事やアルコールの提供はできませんが、コーヒーや紅茶などお酒以外の飲み物や、クッキーなどの調理済みの食べ物の提供はできます。
喫茶店では調理の必要がなく、メニュー内容を絞ることができるという点でも、カフェよりも開業のハードルが低いといえるでしょう。
物件選びと内装の準備
物件選びと内装の準備のポイントは4つあります。
・カフエのコンセプトに合っている場所か?
・家賃が高すぎないか?
・分かりやすい立地か?
・周辺環境はどうか?
メニュー作成と価格を決める
メニュー作成と価格を決めるポイントは3つあります。
・カフェコンセプトに合わせる
・競合の相場をチェックする
・原価率はあくまで参考程度にする
カフェコンセプトに合わせる
メニュー作成ではカフェのコンセプトに合わせることが大切です。
メニューは、来店するお客様が最初に目を通すものであり、カフェの宣伝ツールともいえます。
カフェのコンセプトとメニュー内容がそろっていなければ、ちぐはぐな印象を与えてしまうでしょう。
メニュー表の配色や素材、写真などは、カフェの内装と統一感を持たせるように工夫してみてください。
競合の相場をチェックする
価格設定の前に、カフェを開業予定のエリア周辺にある競合店の相場をチェックすることをおすすめします。
カフェを利用するお客様は、ある程度の相場を把握していることが多いです。
ターゲットとなる客層が求める相場や、周辺の競合店の価格を考慮して価格設定しましょう。
原価率はあくまで参考程度にする
原価率(販売価格÷原価)を意識しすぎず、あくまでも参考程度にすることも大切です。
飲食店の原価率は30%~33%前後、カフェの原価率は20%~25%前後が目安といわれています。
しかし、すべてのメニューの原価率をそろえる必要はありません。
季節限定商品など特定のメニューの原価率が高くなった場合は、他のメニューの価格でバランスをとるとよいでしょう。
まとめ
この記事では、カフェオープンまでの具体的な計画の立て方について紹介しました。
まとめ
・アイディアでなく、カフェのコンセプトを具体的に決める
・融資は日本政策金融公庫から受ける
・自己資金は最低100万円必要
・カフェと喫茶店では必要な資格と申請が異なる